会社を退職した方の中には、
「退職したのは良いけれど、失業保険はどうやって手続きすればいいんだろう?」
と、いろいろとサイトなどで調べている方も結構いらっしゃると思います。
僕も退職してすぐに次の職場が決まらなかった事があり、日に日になくなっていく貯金通帳をみながらどれだけ冷や汗を書いていたかわかりません。
でも失業手当が出ればなんとか最低限の生活ができるようになり、大変助かります。
ただこれまでハローワークに足を運んだ事がない人は、なんとなく怖いイメージだったり、変な職員にバカにされたりするんじゃないか、とかビクビクしちゃうんじゃないかと思います。
実際、一つでも書類が不足していたりすると「これだと手続きできません。出直してきて下さい」と言われたりすることもありますので、結構神経使いますよね。
そこで今回は会社を退職して、初めてハローワークに行く方向けに「ハローワークでの雇用保険(失業手当)の申し込み手順・手続き方法」を解説したいと思います。
これだけ覚えておけば、初回のハローワーク手続きは簡単ですし、怖がる事もありませんので、ぜひ参考にして下さい。
失業保険とは? 雇用保険と失業手当はい一緒のもの?
会社を退職した後、ハローワークで「雇用保険の求職者給付の登録」をすると、「雇用保険の求職者給付」をもらいながら再就職活動をすることができるようになります。
ちょっとわかりにくいですが、この「雇用保険の求職者給付」がよく言われる「失業保険」または「失業手当」と呼ばれているものです。
失業保険と言われる事が多いですが、他にもこんな言い方があったりします。
- 雇用保険
- 失業手当
- 失業保険
- 失業給付
たくさん言い方がありますが、これ全部同じものなのです。
正式名称は「雇用保険」みたいなのですが、どちらかというと「失業保険」の方が一般的な感があるので、以下失業保険で話をしていきます。
失業保険は、それまで働いてきた年数や会社を退職した理由にもよりますが、最低で90日、長い場合ですと330日間の手当がもらえます。
会社を退職してから仕事を探そうとする人にとっては本当に助かる制度ですので、必ず登録しておきましょう。
また早期に再就職ができれば再就職手当が給付されたりしますので、意欲的に求職活動ができるようになります。
まさに目の前にぶら下げられたニンジン的な感じですね。
失業保険申請時に必要なもの
以下が保険申請時に必要になりますので、ハローワークに行く前に忘れているものがないかチェックしましょう。
失業保険の手続き時に必要なもの
- 離職票1・2
- マイナンバーカード(ない場合は通知カード+写真付証明書)
- 預金通帳
- 写真(タテ3.0cm×ヨコ2.5cmのもの2枚)
- 印鑑
通常、退職後1~2週間ほどで勤めていた会社から離職票が送られてくるので、それまでに準備をしておくといいです。
万が一2週間経っても会社から離職票が送られて来ないような場合は、会社がルーズで手続きをしていない可能性があったりしますので、直接連絡をしたり、管轄のハローワークに相談するようにしましょう。
ただ、マイナンバーカードは申込みから受け取りまでに1ヶ月近くかかりますので、在職中に準備をしておくといいと思います。
また写真も在職中に撮影しておくと、わざわざスーツを着て撮影をしに行くという手間が省けますよ。
準備しておくとよいもの
- 履歴書
- 職務経歴書
- 長時間残業・パワハラなどの証拠となるもの(タイムカードなど)
これは後で説明をしますが、履歴書・職務経歴書があるのとないのとではハローワークでの手続き時間に大きな差が出てしまいますので、できれば持っていくようにしましょう。
長時間残業・パワハラの証拠となるものは、退職理由を「自己都合」→「会社都合」に変更するのに必要になります。
ハローワークでの手続き手順
上記のものが準備できたら、住んでいる住所の管轄のハローワークに行きましょう。
中には会社の最寄りのハローワークや、自宅から最も近いハローワークと勘違いしてしまう方もいらっしゃいますが、各都道府県ごとに管轄のハローワークが決められておりますので、必ず自分の住所の管轄を調べてから行くようにしましょう。
ハローワークの管轄はこちらで調べる事ができます
上記サイトに入り、
公共職業安定所の一覧 >「公共職業安定所」の右側の「管轄一覧表」をクリック
という順番で調べる事ができます。
お役所ですので管轄外の場合は何があろうと一切の手続きはしてくれませんので、注意して下さい。
特に都市にお住まいの方ですぐそばに隣の区のハローワークがあるといった場合は特に注意が必要です。
区が違うと管轄が違う事もあり、その場合は手続きができません。
失業保険の手続き手順1:受付
ハローワークに着いたらまず受付がある場合が多いですので、そちらで
「退職したので失業保険の手続きをしにきました」と伝えて下さい。
ここでの必要書類は以下の通りです。
- 離職票1・2
まずここで簡単な質問回答書と求職申込書を書きます。
質問回答書は
- いつか会社を退職したか?
- 再就職をして働く意思はあるか?
- 今後アルバイトなどをする予定はあるか?
などの簡単な質問ですので、簡単に書けると思いますが、意外と時間がかかってしまうのが「求職申込書」です。
こちらにはこれまでの職務経歴、仕事内容、経験内容を具体的に書いていかないといけませんが、具体的な年月を書かないといけないため、記憶があやふやだと書くのに時間がかかってしまいます。
最悪、多少の記載間違いなどがあっても問題はありませんが、これを元にしてハローワークで仕事紹介がされたりするので、ハローワークでの再就職を考えている方はしっかり書いておいたほうがいいです。
もし準備ができる方は、履歴書と職務経歴書を持参するといいですよ。
求職申込書と質問回答書を書き終えてしばらく待機していると、簡単なハローワークの説明がされ、「ハローワークカード」というものを作ってもらえます。
このハローワークカードは今後、使うシーンが出てきますので紛失しないように気をつけましょう。
失業保険の手続き手順2:雇用保険(失業保険)の説明
その後、別の窓口から呼び出しをされ、ここで雇用保険の説明があります。
ここでの提出物は以下の通りです。
担当者にもより、提出の順番が変わってくるかもしれませんが、僕の場合は以下の書類の提示、もしくは提出をしました。
- マイナンバーカード(ない場合は通知カード+写真付証明書)
- 写真(タテ3.0cm×ヨコ2.5cmのもの2枚)
- 預金通帳
その後再度、再就職する意思があるか、現在もしくは近いうちにアルバイトなどの予定が入っているかどうかの説明がされ、雇用保険の手続きに入っていきます。
この時に重要なのが、退職理由です。
ほとんどの場合は離職票の退職理由の欄が「自己都合」と書かれていると思いますが、もし正当な理由がある場合は「自己都合退職」から「会社都合退職」に変更することができます。
会社都合退職に変更をする事ができれば、失業手当の給付期間や、給付金額が大幅に増えますので、不当な扱いを受けて退職された方は必ずこの制度を利用してください。
- 長時間の残業
- 会社の倒産もしくは事業所閉鎖
- 通勤困難地域への事務所移転
- 30人以上または会社の3分の1以上の大規模な退職があった
- パワハラ・セクハラなどにより心身の障害による退職
- 給料が大幅にダウンした
- 提示された労働条件と著しく異なった場合
こういった理由がある場合は、自己都合退職より会社都合退職への変更が可能となります。
ただそれを証明する証拠資料が必要となるため、退職をする前にあらかじめ証拠収集をするように準備ましょう。
僕の場合は長時間の残業時間が該当しておりましたのでタイムカードの写真を提出しました。
一ヶ月で100時間以上の残業をしていましたが、よくある事なのかハローワークの職員さんは、たんたんと手続きを進めていってました。
長時間の残業で退職理由を「自己都合」→「会社都合」に変更するための条件は以下の通りとなります。
- 退職前6ヶ月間のいずれか3ヶ月で一ヶ月45時間以上の残業
- 退職前6ヶ月間のいずれか2ヶ月で一ヶ月80時間以上の残業
- 退職前6ヶ月間のいずれか1ヶ月で月100時間以上の残業
これらに当てはまる方は問題なく「会社都合退職」に変更することができます。
この条件に当てはまる方は相当数いらっしゃると思いますので、ぜひ利用するべきです。
雇用保険の説明の中で
「会社はこのように自己都合退職と書いてありますが、異議はないですか?」
と聞かれますので、特にない場合はそのように答えて下さい。
ただもしここで異議がある場合は、ここでパワハラや長時間の残業が行われていた証拠(タイムカード等)を提出するようにして下さい。
自己都合退職を会社都合退職に変更するチャンスはこの1回しかありませんので落ち着いて話すようにしましょう。
ここでもし証拠資料の提出ができず、離職票に「異議がないことを認めます」という箇所にサインをしてしまった場合は、二度と「会社都合退職」に変更する事はできませんので、自分が集めた証拠資料などは全て揃えておくようにしましょう。
自己都合から会社都合に変更できるかどうかは後日連絡が来ます
会社都合に変更できるかどうかの連絡は後日ハローワークより連絡が入ります。
その間に、ハローワークから会社に確認作業をとったりします。
僕の場合は会社からの連絡はありませんでしたが、ハローワークからの確認の連絡が会社にされたかどうかは不明です。
もし会社に連絡されると困るような場合は担当の方に相談をしてみるといいと思います。
僕は連絡をされても問題ありませんでしたので何も言いませんでした。
離職票の処理が完了したら、失業保険をもらえるようになるまでの期間や、それまでの手続きのざっくりした説明があります。
詳しい事は「雇用保険説明会があるのでそちらをよく聞いておくように」という事でした。
雇用保険説明会は手続きの日から数週間後あたりに設定されます。
失業保険申請の際の持ち物の中に「印鑑」がありましたが中には必要がない方もいらっしゃいます。
僕の場合、書類に誤って記入してしまった箇所があり、この訂正印として使用をしました。
他のシーンでは利用はしませんでしたので「印鑑は必要なかった」というケースも出てくると思いますが、万が一の事もありますので、一応持参するようにはしましょう。
これで雇用保険受給資格が決定します。
失業保険の手続き手順3:再就職相談
その後、別の窓口で簡単な再就職相談をして以下のようなことを話します。
- どのような仕事につきたいか
- いつごろまでに再就職をしたいか
この辺りはかなり機械的なので適当に話をして、早めに切り上げても問題ないと思います。
ここまでが、失業保険の手続きになります。
あとは、手続きの際に決定された「雇用保険説明会」に参加するまで待機となります。
失業保険の手続きをした日から7日間は「待機期間」となり、アルバイトなどをするとその期間分待機期間が伸びてしまいますので、アルバイトなどはしないように注意して下さい。
失業保険の手続きの際の注意点
以上がハローワークの初回手続きの流れになります。
また僕が実際に手続きをする中でここは気をつけたほうがいいという事があり、参考になると思いましたので、それを紹介したいと思います。
手続きは朝イチで行えば所要時間1時間で終わります
どこのハローワークもそうですが、朝8時半から手続きを開始します。
僕は朝イチでハローワークに行き手続きをしたので、約1時間程度で手続き完了しました。
ただ手続きが終わってハローワークを出る頃には、満員御礼状態になっていて、かなり待ちの方もいました。
早めに手続をするのが、時間を有効に使うポイントなので、早めにハローワークに向かうようにしましょう。
認定日の曜日に気をつけよう
ハローワークで失業保険の手続きをすると、雇用保険受給の認定日が決定します。
この認定日は何があってもハローワークに行きて手続きをしないといけませんが、この認定日というのは、失業保険の手続き申請をした曜日になります。
僕の場合は、金曜日に手続きをしたので、その後の認定日は全て金曜日になります。
※年末年始、ゴールデンウィークに関しては認定日が変更される場合があります。
人によっては特定の曜日が忙しいというような場合もありますので、その点を考えて申請に行くのがいいと思います。
まとめ:ハローワークでの失業保険(雇用保険)の申し込み手順
今回は、ハローワークでの失業保険(雇用保険)の手続き手順を解説してきました。
特にポイントとしてお伝えしておきたいのは、以下の2点です。
- 退職理由を「会社都合」に変更するための書類はあらかじめ準備しておく
- 退職理由を「自己都合」→「会社都合」に変更できるチャンスは1回のみ
これが失業保険申請の際の最も肝となるポイントですので、しっかりと抑えておくようにしましょう。
退職理由が「会社都合」として認められれば、失業保険の受給までの期間が3ヶ月から「待機期間」の7日間のみとなり、給付期間が倍近くになりその分金額も増えますので、再就職活動、転職活動も負担なく行うことができます。
転職エージェントを利用した再就職・転職の際は再就職手当の対象になります
再就職活動はハローワーク以外でも行うことができますが、最も効率よく再就職・転職を成功できるのは転職エージェントを利用する事です。
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